漫画王(合コンの体験談)
オイラの友達に、漫画・アニメが大好きな友達がいた。
漫画・アニメが好きすぎて、ずっと彼女がいなかったんだけど、奴に彼女が出来なかったのは、それだけではなかったのだ……
漫画王、現る!
この日、合コンに誘っても、今まで来なかったA君がやってきた。
実は、このA君、無類の漫画・アニメ好きだ。
いい歳なのに「少年ジャンプ」を欠かさず読んでいる。
それだけではない。
バイト代、すべて、漫画・アニメに費やすほど、漫画・アニメに熱を入れていて、「10年くらい前に、水曜日19時からやっていたアニメって知っている?」って聞いても、即答できるほど、漫画・アニメが大好きな奴だった。
まさに、漫画王。
そんな奴が、オイラ達の合コンに初めてやってきた。
※)ちなみに、オイラは、「少年心を持ち続けることがモテる秘訣」と何かの雑誌で読んで以来、32歳の現在も、少年ジャンプを、欠かさず読んでいる。
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飲み会開始!
今回の合コンは、ちょっと、ヤバそうな女の子達が多かった。
オイラは、「こういう時もあるさ……次の合コンにつなげるべし!」なんて思っていたんだけど……
飲み会が始まった。
どうやら、相手は、合コンが初めてだったようだ。なので、何もかもが新鮮のようで、飲み会は、自然に思いっきり盛り上がっていった。
「イマイチな女の子だけど、何か楽しいな〜」なんて思っていたら、あっという間に、30分くらいが経過していた。
漫画王は?
ふと、「漫画王」が気になって、漫画王の方を向くと……
アルコール類を飲まずに、ひたすら、ソフトドリンクを飲んで、料理を食べまくっていた。
……「こりゃ、まずいな〜」なんて、お世話好きの大阪人のオイラは思ってしまったんだよな。気を利かせて、漫画王にいい思いをさせようと、漫画王の隣に座った。
これが、そもそもの始まりだった……
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運命?
「漫画王の前の女の子と、漫画の話をしていると、漫画王は食いついてくるに違いない!」と思って、漫画王の前にいた女の子に、「女の子って、どんな漫画を読むの?」なんて、話をふってみた。
すると、偶然にも、その女の子、少女漫画をよく読むようだった。
「適当に話をさせたら、右に出るものがいない」と言われるくらい、自分の知らないことでも、話をあわせるのが得意なオイラ。
ぶっちゃけ、少女漫画なんて読んだこともないけど、「そうやね。あのシーンって泣けるよな〜。俺なんて、3回泣いたよ」なんて、適当に話をあわせていた。
すると……
「……それは、××という漫画でしょう?」
……漫画王が食いついてきた!
まさに作戦通り!
「漫画王とマンツーマンにしてやろう」なんて思って、オイラは、トイレに行った……
漫画王
トイレから帰ってきたら、漫画王と、女の子が楽しそうに話していた。「いいことしたな〜」なんて、元の席に戻った。
それから、1時間後。
ふと、漫画王の方を見ると……
女の子が、ちょっと、ウトウトしていて、目がうつろになっていた。
ほとんど寝りそうだった。
でも、漫画王は、「このアニメの、裏話があるねんな……」なんて、ひたすら話していた(会話は聞こえなかったので、想像)。
いや、もう女の子、半分、寝ていますから……
漫画王の顔を見ると、普段見ない興奮した顔をしていたので、突っ込むに突っ込めず……
そして、更に1時間後……
まだ、漫画王は、話していた。
「だからさ、あの漫画は少年が育っていく姿がいいねんな……」と(会話は聞こえなかったので、想像)。
女の子の方を見ると、女の子は、ポケベルを見ていた。
※)当時は、携帯なんてなくて、ポケベル主流だった。
でも、漫画王は、全く気にせず、その女の子に話し続けていた……
流石に、面白い……じゃなくて、気になったので、漫画王の近くに席を移動して、チラチラ見るように。漫画王が相変わらず、女の子に話しかけていたら、ふと、女の子が「トイレに行く」っていって、トイレに行った。
流石に、漫画王も、誰もいないのに、一人で話し続けることが出来ないようだ。黙って、ソフトドリンクを飲んでいた。
すると、5分後、女の子が、テーブルに戻ってきた。
その後の展開は、もうわかるだろう。
女の子が、席に着くやいなや、漫画王は、再び、漫画の話を話し始めた。
気になるのは、女の子が、ポケベルの次に何をするのかだ。
……やりやがった。
女の子は、箸を使って、皿にあるキャベツの千切りの数を数え始めやがった!
漫画王の方を見てみると……
まだ、漫画の話をしていやがる!
こいつは、まれに見るバトルだ!!
必死に漫画攻撃を仕掛ける漫画王と、それを、かわす女の子。
まさに、襲い掛かってくる悪漢(漫画王)を、紙一重で交わすサムライ(女の子)だ!
ていうより、女の子、席替えろよ……
後日談
翌日、オイラが漫画王に「前回の合コンどうだった?」って聞いてみたら……
「あの合コンで話した女の子いたやん?あの女の子と、うまくいきそうだから、B君(幹事)に電話番号を聞いてもらっているねん!」って楽しそうに話していた……・
いや、電話番号、教えてもらえないと思うよ……
とりあえず、心の中で突っ込んでみた。